12月のカマキリ

🔹月曜日

ディの療育室の窓に大きなカマキリがくっついていました。寒さのせいか、あまり動きません。

一人の女の子が室内からジーッとみており、周りに人が集まると「ビックリさせないで!」と両手を広げて守っていました。

🔹火曜日

同じところにカマキリはいました。全くと言っていい程カマキリは動きません。

その日は昨日守ってくれた女の子の利用がない日だったので、代わりにみんなで守りました。

🔹水曜日

朝の職員が窓に目を向けると、カマキリの姿がありませんでした。

「どこかに行ったのかな?」と庭に出てみると、窓のサッシの部分に上向きで倒れていました。

死んでしまったのかと思いお墓を作ってあげようと、カマキリに触れたら少しだけ足が動きました。

ほんのわずかな小さな足の動きでしたが、まだ頑張って生きているので葉っぱの上に置いてあげました。

午後になり、守ってくれた女の子がディに来てカマキリを探しました。

葉っぱ上で一生懸命生きているカマキリを見て「お家の中に入れてあげる」と泣き出しました。

“最後は温かいお部屋で見守ってあげよう”

カマキリをお部屋に入れてあげました。

🔹木曜日

職員がふとカマキリを見ると、なんと卵を産んでいました。

女の子は明日デイへ来る日なので、ビックリするかな?喜ぶかな?守ってくれてありがとうねぇ。

🔹金曜日

カマキリはとても元気に動きまわっています。女の子も喜んで眺めていました。

🔹次の木曜日

腕が縮こまり、目の色が黒くなっています。卵を産んでちょうど一週間。カマキリは死んでしまいました。

女の子がお墓を作ってくれました。

虫はそんなに得意ではないけれど、とても寂しい気持ちになりました。

カマキリにカマコと名前をつけて、毎日様子をみて可愛がっていました。命の勉強をさせていただきましたね。

一生懸命守ってくれた女の子、ありがとうね。

来年の春に卵が孵化して、カマコの赤ちゃんが遊びに来てくれますように。